家族の関係を修復する方法
家族という組織は、生まれて初めての小さな社会体験と言えます。
まだ外に出ることを知らない小さな子供が、それぞれの家庭のルールに従い成長していきます。
でも、小学生、中学生と成長するにつれて、よそのお宅とは違った環境なのを知っていくとともに、自分の家族関係に疑問を感じることがあります。
「どうしてうちは、ケンカばかりなのだろう…」
「どうしてうちは、褒め合うことをしないのだろう…」
「どうしてうちは、私だけ愛してもらえないのだろう…」
など、一般的に安定しているような家庭との違いに気づいてきます。
でも、
「あなたを心配してのことなのよ」
「家族だから遠慮はいらないよ」
「本音を言い合うことは大切よ」と、
親は自分を大切に思ってくれている。
でも、でも、なぜだろう…という感覚が捨てきれない状態を経験してきた人は多く存在します。
例えば、「東京の人は冷たく、大阪の人はお世話好き」といったことを耳にすることがありますが、
逆に「東京の人は過度に干渉せず見守ってくれ、大阪の人はズケズケと入りこんでくる」と受け止める人もいるようです。
それはもちろん、それぞれの家庭にもよるものですから何が正しくて何が間違っているかは決めつけることができません。
それでも、せっかく家族になったのだから、いつまでも仲良くいたいものです。
そのためには家族同士の距離感を確認することが重要になってきます。
「家族同士の距離」とは、どういうことでしょうか。
それは、一緒に食事をすることや、一緒に出かけることなどではありません。
【親がどのくらい干渉するか】
【子供がどのくらい親を頼るか】
といった距離感のことを言います。
いつまでもベッタリと仲が良いのなら問題ないですが、いわゆる「依存関係」に発展しないよう気を付けることが大切です。
家族関係で問題となる最大の要因は、
【家族は一心同体】と強く思い込んでしまうことです。
家族だから同じ考えを持つべきだとか、家族だから上の人間の言いなりにならなくてはいけないとか、
「家族だから…」という言葉で、子供を過度に縛りつけてしまう傾向が見られる場合が多いです。
その状況で育つ子供は、
成長とともに反発心を持ちながらも、「家族なんだから」と、親に言うことを聞かせようという気持ちが芽生えることがあります。
それは無意識で思っていることの可能性もあります。
でも実際には、家族と言えどもそれぞれの感じ方や考え方など、価値観も全然違うものです。
例え親の遺伝子を受け継いだとしても、遺伝子よりも育って行く環境が、その人の価値観を決めていくものです。
親も子も、お互いが相手のことを理解することで関係は上手くいくようになります。
ここまでで、人はそれぞれの考え方や感じ方を持っていると分かりました。
実際のところ、親は頭で理解できていても、子供に「こうなってほしい」という強い願望を抱くことが多く、
割り切るには子供側以上に時間がかかります。
それでも家庭内において常に【家族と言えどもそれぞれの考え方は違うものだ】ということを認識しておくだけで、
日々の対応に思いやりを持てたり、これまでケンカになっていたことでも引き下がって話し合いができるなど、
良い傾向に変化していきます。
その後、「自分なりに努力しても、どうしても関係が良くならなかった。」という場合もあります。
その時は、言い方は冷たいですが、一時的に【家族なんて所詮他人だ】と思ってみることも方法のひとつです。
家族に期待しない。自分の事は自分で。
それにより、距離が一気に遠のきますが、これがきっかけで好転する可能性もあります。
もしもそれによって親がこれまで以上に干渉してきたり、ある程度大人になった子供が執拗に親のそばから離れないようであれば、
親子でカウンセリングを受けるなど第三者の支援を受けることをお勧めします。