発達障害の診断は受けたほうがいいのか?
発達障害という言葉がかなり日本人の間にも浸透してきたものの、
実際のところどんな特性なのか、どういった対応をすればいいのかなど、 まだまだ分からないことばかりですよね。
ただ、ネット上で情報だけは拾えるのでそこで調べていくうちに「もしかすると自分もそうなのではないか…」といった気持ちになって
カウンセリングに来られる人も少なくありません。
当ルームでは診断はできませんが、ある程度の見立てとしては傾向や困っていることを質問して判断しています。
そして、それが発達障害であってもなくても、どう対応すればより良くなるのか、心が軽くなるのかをお客様と一緒に考えて
新しい課題の提案を行っております。
そのような中、虐待やそれ以外のさまざまな理由によって発達障害と傾向がそっくりな「愛着障害」という
第四の発達障害と呼ばれるものも明るみになってきています。
言葉通り、愛着の形成不全によって発達障害と間違われやすいのですが、
発達障害ではないからといって放置しておいても良いことはありません。
ですから、当ルームでは愛着障害の対応も併せて行っています。
「もしかして…」と思ってしまったら、ハッキリさせたくなるものですよね。
それで病院で心理検査や脳波測定などを受けて診断してもらえば気持ち的にはスッキリするかもしれません。
でも近頃は病院の予約も一杯で数ヶ月待ちなど当たり前となっていて、
カウンセリングの中では、病院受診についても相談されることがあります。
その際、必ずこちらから質問するのは「診断を受ける目的は何ですか?」ということです。
…と言いますのも、診断を受けるということはカルテにその情報が残るということです。
なのに明確な理由もなく、ただハッキリさせるためだけに診断を受けるのはリスクが高いと考えられるからです。
大切なのは、【診断を受けた後に、どうしたいのか】をハッキリさせることです。
目的や内容によっては、病院の受診をしない方が良い場合もありますのでしっかりと考えて、
可能であれば家族間で話し合って納得してからその後を決めてください。
発達障害と分かって、これまで自分が辛いと思っていたことが発達障害のせいだったと分かって気持ちがラクになった、
スッキリしたという人もいます。
長い間苦しんで来た理由がハッキリするのですから、ホッとするのも分かります。
その逆に診断を受けたことによって「やっぱり自分なんてやってもダメな人間だった」と落ち込んでしまうケースもあります。
そして「発達障害なんだから…」とことあるごとに【だから許してよ】と言い訳の材料に使っている人も少なくないのです。
努力次第で改善できる傾向ですら、言い訳をしながら回避して放置するのはとても残念です。
ですから、診断を受けるに当たって【自分にレッテルを貼る】材料にするといった目的を持たないでください。
苦手なことは【自分に合った克服法が見つかれば】必ず改善していきます。
短期間には難しいことでも、あれこれ方法をたくさん試していく中できっと自分に合った方法が見つかります。
だから諦めないで前を向いて欲しいと思います。